椎間板ヘルニアでよく聞く基礎用語

椎間板ヘルニアとつきあってゆくにあたって、関連書籍や文献、病院とのやりとりの中などで専門用語なども出てきます。ここではそんな治療時によく出てくる言葉などを辞書のような感じで掲載しています。初めて聞いても戸惑わないように事前知識としてご活用ください。

あはき法
「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師に関する法律」のこと。免許無く、マッサージを職業として行うことを禁じているが、マッサージそのものの定義がはっきりせず、類似の行為が資格の無い者によって行われているのが現状。

インフォームド・コンセント
説明された上での同意。患者に治療の目的や方法をよく説明し納得してもらって治療を行うこと。

AKA
関節運動学的アプローチ(ArthroKinematic Approachの略)。関節痛、神経痛、しびれの原因の多くが関節の機能障害であるという点から見る診断法、治療法。

エックス線撮影・X線撮影
いわゆるレントゲン撮影。椎骨の様子は見られるが、軟骨などから成る椎間板の様子はよく知ることが出来ない。

エピドラ
「硬膜外の~」の意。硬膜外麻酔/硬膜外ブロック、硬膜外カテーテルなどを指すことが多い。

エム‐アール‐アイ【MRI】
《magnetic resonance imaging》核磁気共鳴の物理現象を応用して、人体の断層撮影や含有物質の同定を行う方法。また、その装置。磁気共鳴映像法。椎間板ヘルニアの初期症状判定にはこれが最も多く使われているよう。

黄色靭帯/黄色靭帯
脊髄のすぐ後ろにあり、椎弓と椎弓とを留めている靱帯。弓間靱帯/弓間靭帯。

横突起
椎骨後部の一部をなす平たく突き出た部分。椎弓から外側に向かう左右一対の突起。腰椎では肋骨突起とも呼ばれる。

下肢(かし)
脚部。「上肢」は腕や手。

下肢伸展挙上テスト(かししんてんきょじょう)
ラセーグ氏徴候を利用し、腰椎椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛であることを調べる検査方法。SLR試験/SLRT(Straight Leg Raising Test)。ラセーグテスト。

カイロプラクティック(chiropractic)
動きの悪い関節を正しく動くように入力してやることで医学的に理解できない身体の不調を改善する治療法。アメリカでは医療行為として公的に認められている。

カイロプラクター(chiropractor)
カイロプラクティックの技術を持った人。日本では法的根拠・資格はない。米国ではDoctor of Chiropractic (D.C.)である。

カテーテル(catheter)
膀胱などの体腔や血管などに挿入する医療用のチューブ。

間欠性跛行(かんけつせいはこう)
脊椎管狭窄症などにより長く歩くと足のしびれなどで歩けなくなるが、休むと歩けるようになる状態。跛行とは「びっこ」の意味。

関節運動学的アプローチ
関節痛、神経痛、しびれの原因の多くが関節の機能障害であるという点から見る診断法、治療法。腰痛に関しては仙腸関節などの機能障害を原因としている。略称のAKA(エー・ケー・エー)で呼ばれていることが多い。

けいつい【頸椎】
脊椎動物の脊柱の最上部。頸部(けいぶ)の脊椎。七個の椎骨からなる。

硬膜外ブロック注射
局所麻酔で陣痛のみを取り除く注射。似=仙骨ブロック注射

作業療法(さぎょうりょうほう)
病気・外傷からの回復を図るために行う、工芸などの作業・園芸などの仕事・運動等による治療活動。作業療法士の指導下で行われる。

作業療法士(さぎょうりょうほうし)
作業療法を行う有資格者。

坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)
大腿からふくらはぎ、足の甲あたりまでが痛んだりしびれたりする。病名ではなく、その症状の名称。腰椎椎間板ヘルニアなどが原因と言われる。

座薬(ざやく)
肛門から挿入し、小腸で吸収させる薬。鎮痛剤や解熱剤として用いられる場合が多い。効果が比較的早く、効き目も強い。

CT検査
ミエログラフィーやディスコグラフィーに合わせて、撮影することが多い。ヘルニアの骨性成分を見るために、あえて単純CTを撮影して、比較することもある。

持続性硬膜外ブロック
注射針の付いたカテーテル(チューブ)を硬膜外腔に刺しっぱなしにしておき、反復して硬膜外神経ブロックを行う方法。

神経根ブロック注射
痛みを抑える為に神経根に直接麻酔薬を注射して症状を緩和させる方法。注射後はしばらくの間痛みは治まるが、神経根を探している時がつらい。

仙骨ブロック注射
脊柱の下方にある三角形の骨。5個の椎骨が癒合し、骨盤の後壁をつくる。この仙骨付近に長い針で麻酔薬を注入して痛みを和らげる。何度か打ったが痛くて恐怖症になった(-_-!)

大腿(だいたい)
腰から膝までの部分。太もも。

大食細胞(たいしょくさいぼう)
→マクロファージ

脱出型ヘルニア
椎間板ヘルニアのタイプの内、髄核が線維輪を完全に飛び出してしまう型。

腸骨(ちょうこつ)
仙骨の両側にある大きな骨。寛骨の多くを占める。仙骨と腸骨の間にあるのが仙腸関節。
椎間関節(ついかんかんせつ)
椎骨後部にある椎弓の、左右後方の椎間関節突起が上下の椎骨と互いに形成する関節。

椎間板
脊椎(せきつい)の上下に隣り合う椎体を結合している円板状の軟骨。中央のゼリー状の髄核を繊維輪が囲む構造をし、衝撃をやわらげる働きもする。椎間円板。椎間軟骨。材質はコラーゲンともヒアルロン酸とも言われている。

ディスコグラフィー
ミエログラフィーに加えて、侵襲性が高い(痛いのである)ことから行われることは少なくなった。ヘルニアの責任高位の診断、外側型椎間板ヘルニアの診断に有効なことがある。

内視鏡(ないしきょう)
細い管の中にファイバースコープなどが入っていて、その管を体や脳の中にさしこみ内部を見るための器具。切開をして挿入する場合も、傷口が小さくて済むというメリットがある。鉗子(かんし)などを用いた手術だけでなく、レーザー手術などでも利用されている。開口部を少なくする方法として顕微鏡を用いた手術(マイクロ・サージェリ)もある。
内視鏡下椎間板ヘルニア除去手術(ないしきょうかついかんばん-じょきょしゅじゅつ)
従来のラブ法と比較して小さな切開口から内視鏡を差し込み、患部の様子を外部のディスプレーでモニターしながらヘルニアを摘出する手術法。MED法。

軟骨(なんこつ)
軟骨細胞と軟骨基質とから成る。椎間板を構成する線維輪も軟骨で出来ている。

二分脊椎症(にぶんせきついしょう)
本来、椎孔の中に形成される保護されるべき脊髄が、先天的に外部に作られてしまう病気で、主に仙椎、腰椎に発生する。運動・内臓の機能、知覚機能の障害が生ずる。水頭症を合併する場合が多い。

尿管カテーテル(にょうかん-)
→バルーンカテーテル

背筋(はいきん)
背中の筋肉の総称。

バイオプレート
歯の不適正な咬合に原因がある腰痛が多いという考え方に基づき不正咬合を治すためのマウスピース状のもの。

排尿障害
何らかの原因で尿が出にくくなる、あるいは出ないこと。腰椎椎間板ヘルニアが原因となることがある。放置しておくと腎臓に悪影響を及ぼしたりするので、通常手術をする。

パパイヤ療法
キモパパイン注入療法とも呼ばれる。キモパパイン酵素(パパイヤの樹液から取れる蛋白質分解酵素)を使って、髄核の一部を溶かすという椎間板ヘルニアの治療法。アレルギーの死亡例もあり、日本では認められていない。

馬尾神経(ばびしんけい)
脊髄の最下部は、第1腰椎あたりでばらばらに枝分かれてさらに下方に延びる。その部分の神経。排尿・排便にも関わる。

鍼/針(はり)
先のとがった細長い医療器具。あるいはそれを用いた治療法。

バルーンカテーテル
手術時などに自分の意志で排尿できない場合に、尿管に挿入して膀胱から尿を排出するためのカテーテル(管)。2本の管から成り、挿入後に一方の管から入れた空気で先端部がバルーン(風船)状になって、抜けないようになる。尿管カテーテル。

尾骨(びこつ)
脊椎の最下部の尾椎が結合して作る骨。

尾てい骨(びていこつ)
→尾骨

尾椎(びつい)
脊椎の最下部の3~5個の椎骨群。実際には1つに結合して尾骨となっている。

腹筋
腹部の筋肉の総称。

不定愁訴(ふていしゅうそ)
診察や検査では異常がないが、患者が痛みや食欲不振等を訴え、原因がはっきりと分からない状態。

太股/太腿(ふともも/だいたい)
脚部の内、根本の太い部分。

ブロック注射
椎間板ヘルニアなどによって炎症を起こしている神経付近に麻酔剤やステロイド剤などを注射して、痛みの伝達を止め(=ブロック)痛みを感じさせなくさせたり、炎症を抑えたりする。血流をよくする、障害を受けている箇所を特定するなどの他の目的・効果もある。

分離症(ぶんりしょう)
→脊椎分離症

ペインクリニック(pain clinic)
神経ブロックなどの方法を用いて、各種の痛みを取ることを主とした西洋医学の一部門。必ずしも痛みを取ることだけでなく、例えば「痛み→筋肉の緊張・血行不良→痛みの増加・治癒の遅れ→精神的苦痛の付加・・・」といった悪循環を断つことにより、治癒を促進するという考え方でもある。

ヘルニア(hernia)
体内の臓器が、あるべき部位から逸脱した状態。

変形性脊椎症(へんけいせいせきついしょう)
加齢に伴い、椎体の角に骨棘 (こっきょく)が出来た状態。神経を刺激して痛みなどを伴う場合と、痛みのない場合とがある。

膨隆型ヘルニア(ぼうりゅうがた)
椎間板ヘルニアのタイプの内、髄核が線維輪から飛び出さず、膨らんだ状態の型。一部、線維輪から飛び出ても椎間板から分離していない型もある。

歩行器(ほこうき)
手術後など、自力のみによって歩けないときに、腰部や脚部への負担を減らしすための支え。腰痛関連の手術では極度に足腰が弱らないので、キャスター付のものが使われる。ウ

オーカー。
保存療法。外科的な処置を施すことなく安静にして自然治癒させる方法。

ホットパック
理学療法のうちの温熱療法の1つ。シリカゲルなどを布袋に収めて、湯で暖めタオルなどで包んで患部を暖める湿熱ホットパック、そしてビニールなどで包んでいる乾熱ホットパックがある。

ほねつぎ
整骨、接骨、柔道整復。

ボルタレン(Voltaren)
消炎鎮痛薬。成分名はジクロフェナクナトリウム。錠剤・座薬・塗り薬がある。錠剤のみならず、座薬でも胃痛や発疹などの強い副作用の出ることがあり、使用に当たっての注意が必要。

腰仙移行椎(ようせんいこうつい)
第5腰椎(の横突起)が仙骨と癒合している場合には、腰椎が4つしかないように見える。一方、第1仙椎が分離している場合には、腰椎が6つあるように見える。腰痛の原因になるという見方とそうでない見方とがある。リチャード病。

腰椎(ようつい)
脊柱(せきちゅう)のうち、胸椎と仙椎との間にある5個の椎骨。全般に下位にゆくほど大形となる。L1~L5の5個。

腰椎椎間板ヘルニア(ようついついかんばんへるにあ)
腰椎部の椎間板ヘルニア。坐骨神経痛などを引き起こす。

腰椎捻挫(ようついついねんざ)
西洋医学ではいわゆるぎっくり腰を「腰椎の捻挫」と解釈している場合が多い。

腰椎分離症(ようついつぶんりしょう)
脊椎分離症の1つ。第五腰椎分離症が多い。

腰椎分離辷り症(ようついつぶんりすべりしょう)
腰椎分離症に [脊椎] 辷り症を伴うと、腰椎分離辷り症と呼ばれる。

腰椎麻酔
外科手術の際、下半身の知覚を麻痺させるために、腰椎間から針を穿刺(せんし)して脊髄腔内に麻酔薬を注入する方法。脊椎麻酔。

腰痛
腰の痛み。整形外科的原因だけでなく、内科的原因によるもの、心因性の腰痛もある。

腰痛症
筋肉疲労などの原因が考えられるが、はっきりとは原因の分からない腰痛をとりあえずこう呼ぶ。従って病名ではない。

腰痛体操
腰痛再発防止やリハビリのために行う、腹筋・背筋の強化、ストレッチなどを主とした体操。無理をすると逆効果。

腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)
→腰部脊柱管狭窄症

ラジオアイソトープ(radioisotope)
放射性同位体。放射性医薬品として用いられる。RI。

ラセーグ氏の徴候
腰椎椎間版ヘルニアによる坐骨神経痛の場合、仰向けになり、圧迫を受けている神経根の側(右または左)の脚部を膝を曲げずに挙げようとすると激しい痛みを感じ、上方まで向けることが出来ないこと。下肢伸展挙上テストとして用いられる。

ラセーグテスト
→下肢伸展挙上テスト。

ラディクログラフィー
→神経根造影

love(ラブ)法
背中を5センチほど切開して、脱出した髄核を切除する腰椎椎間板ヘルニアでは最も一般的な手術。椎弓間開窓術。Loveは開発した医師の名前。

理学療法
物理療法と運動療法とを使って、運動機能障害を回復・軽減させる治療法。PT。

理学療法士
理学療法を行う有資格者。PT。

梨状筋症候群(りじょうきんしょうこうぐん)
坐骨神経が梨状筋部で障害された状態。腰椎椎間版ヘルニアと似た症状が出るが、診断は難しい。

リハビリテーション(rehabilitation)
けがや病気などで、長期間治療を受けていた人に、社会復帰のための訓練を行うこと。また、その訓練。病院では、しばしば理学療法士・作業療法士が専門的に当たる。

リチャード病
→腰仙移行椎

ルートブロック
→ブロック注射

レーザー治療/レーザー手術
レーザー光線を用いての各種治療の内、腰痛治療で話題になるのは、主にPLDDあるいは経皮的椎間板減圧術と呼ばれるもの。椎間板に管を刺し、そこからレーザー光線を照射して髄核の一部を蒸散(焼き切る)させ、椎間板の内圧を下げることで、繊維輪を押し出そうとしていた状態をなくそうという治療法。原理的に脱出型のヘルニアや、水分の少ない髄核には適応しない。

レントゲン
→X線撮影

ロキソニン(Loxonin)
腰痛に対しよく用いられる消炎・鎮痛剤。腰痛の根本的治療にはならない。胃などへの副作用に注意する必要がある。

ロフストランド杖/ロフストランドクラッチ
歩行補助で一般的な3種の杖の1つ。棒状の脚部と、手で握って体重を支える握り、前腕を包むような形状の腕支えからなる。

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